2023/09/16 17:46

和食の歴史について何回かに分けて書いたブログから間が空いてしまいましたが、新たに和食の文化について何回かに分けてブログを書きたいと思います。
参考書籍:知っておきたい和食の文化 佐藤洋一郎編

1.東京の和食、京都の和食

 

和食といっても定義はバラバラですが、一方で多様性があり深みがあります。茶や平安文化の流れを汲む江戸時代以前の京都の和食には会席料理(※1)や精進料理(※2)などがあります。一方で、江戸を発端とする東京の和食には寿司、蕎麦、鰻などがあります。おいしいものを手早く食べたいという江戸っ子の気質を反映したのが寿司や天ぷらや蕎麦。江戸生まれで、屋台で食べられていたこことから当時のファーストフード的な役割も担っていたといわれています。

※1
会席料理とは宴会や会食で用いられるコース形式の日本料理。尚、懐石料理とは茶の湯の会の主催者である亭主が来客にもてなす料理のことを言う。(wikipediaより)

2精進料理とは…仏教の戒に基づき、殺生や煩悩への刺激を避けることを主眼として調理された料理。肉・魚・鶏等の動物性の食材や五葷(ごくん)と呼ばれるニラ・ニンニク・ネギ類などに分類される野菜を使用しない料理で野菜・豆類といった植物性の食材を調理して食べる料理。(wikipediaより)

 

2.歴史以外のエリアで文化が異なる理由
 

歴史以外にもその地形や都市の個性、流通による影響によっても和食の個性が分かれます。例えば東日本はは豚、西日本は牛、九州地方では鶏の消費が多いです。(九州では洋食が少ないことなども影響しているそうです。)尚、現在はエリアによる傾向の差が縮小しているそうですが、関西では農耕用家畜として牛を使用していたため、牛が身近な存在だったことが影響しているようです。

石川県の食にも大きな影響を及ぼした江戸時代の「北前船」で京都・大阪の文化が日本海各地に、また日本海各地の商品が京都・大阪に集まりました。そこで関西では運ばれてきた昆布をベースとするだし文化が醸成されました。味噌や梅干しから、昆布をベースとした複合的なうまみが特徴のお出汁を味わう文化が流通システムの発達により確立されました。

 



今日は簡単に東日本と西日本の和食の文化の違いに触れましたが、和食の文化についていくつかのトピックスを設け、今後も何回かに分けてブログを書いていきたいと思います。


※以前当店でご用意させていただいた精進料理の御弁当です。