2023/09/22 15:34

和食の歴史について前回は東の和食と西の和食についてブログを書きました。
今日は和食となじみの深い魚を中心に和食の文化についてブログを書きたいと思います。
参考書籍:知っておきたい和食の文化 佐藤洋一郎編

1.日本周辺の魚は種類が豊富!?

 

日本はその独特な地形と気候が関係しており、様々な沿岸環境が揃います。北からは千島列島に沿って南下する親潮や、日本海をシベリアの大陸海岸によって南下するリマン海流といった寒流が流れます。南からは東シナ海を北上し日本の南岸に沿って流れる黒潮や黒潮の一部が対馬海流から日本に入り、日本列島の沿岸を北上するといった暖流が流れています。

そんな複数海流が流れる日本では約4,500種類の魚が生息すると言われます。(世界の魚種の3%相当)その種類の豊富さも世界で際立ちます。また内陸には山脈が通っており、太平洋側、日本海側共に多くの川が形成され、豊富な餌が海に流れることで豊富な漁場が多く形成されました。

 

2.能登半島は海流の合流地域

日本海に突き出た能登半島には半島の西側(外海)、東側(内海)と対照的な海があります。
外浦は大陸から吹きつける強風で荒々しい海で、内海は山で風が遮られ比較的穏やかな海です。

また、能登半島周辺の海は水深500m以内で比較的浅いものの、海面から200mを対馬海流(暖流)が流れ、深い部分には冷たい日本海固有水(深層水)が広がっている特徴があります。

水温が高い地域にはブリ、イワシ、カツオ等、水温が低い地域にはタラ・サケなどが生息しています。

さらに、寒流(リマン海流)と暖流(対馬海流)の合流地域のため豊富な餌があること、人の手も加えて守られてきた里山から流れ込む水が豊富な餌となることも重なり、能登の魚は豊富でおいしいのが特徴となります。

※のと里海里山ミュージアムを参考に。

3.和食と魚の関係


日本や当店のある能登半島で魚が豊富なことをお分かりいただけたと思います。それでは和食と魚についてどういう関係があるのか。 


和食の定義の一つに、多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重とありますが、季節の旬のお魚をその時々、様々の食べ方で食べるという文化が育まれました。四季毎に採れる魚が違うので、その魚を尊重した食べ方がなされてきました。 

また、お刺身、寿司といった日本独自の魚の楽しみ方があります。これは海に囲まれた日本だからこそ、新鮮な魚を新鮮なまま食べることができるようになりました。

さらに、生食で、焼いて、煮て、どの調理方でも欠かせない醤油の存在が魚を食べる和食の文化の形成に大きな影響があることは言うまでもありません。

 

今日は、和食と魚についてブログを書きました。
日本のアイデンティティの一つにこれからも和食が残るよう、当店も情報発信、商品開発・販売などを通して貢献していきたいと思います。



※写真はブリの柚庵焼き